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*圭side*
『ねぇ、お聞きになさった…?あの人気の花魁……寝込んでるようでありんす……なんや知りには及びませんが…急に倒れて…どうもここ半月ほとんど食べておらんようでありんす…』
『これであの店も衰退でありんすなぁ…あの子がおらんのでありんしたら、人気も落ちまさぁ』
…………久々になってしまった花街…霧月を手に入れるには並大抵な事ではダメだとわかった……
それなら………と
用意していたものに思ったより時間がかかってしまった……
「人気の花魁が病か……こりゃ殿方はお預けくらって欲求不満か……」
呟きながら歩いて行けばいつもの霧月の店が見えてきた。
「ん?人が少ない…?」
いつも格子の中の霧月を一目見ようと群がっている男共が居ない………格子に駆け寄ると……
「い……な…い…?」
いつもの格子の中に霧月が居ない。
……誰かに買われた?
……違うところに移った?
後者であって欲しい…そんな事を考えながら格子の前で呆然としていると…
「あんたも唯夜香目当てかい?残念だな…あいつは病にかかって今寝込んでるぜ…あぁ、お預けくらっちまったな……さて違う相手を探しにいくか…」
霧月が……病……
さっきの花魁達の会話………あれは霧月の……
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