*鉄格子の内側で*

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舞を踊りあなたが来てくれるのを待ちました。 あなたは…来てくれました。 おれは一目であなただと分かりやした。 声をかけなくても寄ってきてくれやしたね… 嬉しかったでさぁ… 「今日は空いてるか?」 「空いてやすぜ…」 「じゃ…」 そう言って前に出された五千の札… 「おつりですかぃ?…二千返しまさぁ」 「いや…」 「………?」 「今日は体じゃなくてお前の時間を買いにきた。だから五千…」 「体じゃなくて…時間……?」 「あぁ……話してぇ事があるんだ………」 「いいですぜ………ただ…この五千はいいでさぁ…」 「………そうか…」 あなたの話ってなんなんでしょうね… 良いか悪いかも分かりゃしないのに胸が踊り跳ねるのは何故でしょう… あなたの声を聴いただけで頬が緩むのです…
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