*鉄格子の内側で*

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「お前……名前は………?」 「唯夜香(いよか)と申しまさぁ…「そうじゃなくて、ほんとの名前…」 「…へ?」 「売り名じゃなくてお前のほんとの名前…」 「売り名じゃない本名…」 「そ…なんて言うんだ?」 「…………ッ…」 「Σ;なっ…なんで泣くんだよっ…なんか気に障ったか?「違いまさぁ…嬉しく…て…売り名じゃない…おれの本名を聞いてくれたのは…あんたが…はじめてでさぁ…」 「そうか…」 あなたはポツリと呟いておれを抱き締めてくれました… 感じるぬくもりをこんなにも愛しいと思った事はなかった… 「……ばき…ら…つ…き…」 「は?今、名前…言った?」 「いいやした…」 「すまねぇ…聞こえなかったわ…も一回頼めるか?」 「……椿原…霧月…」 「霧月か…綺麗な名前だな…」 「あんたは…?」 「ん?」 「あんたの名前はなんて言うんでさぁ…」 「おれか?おれは嘉津槇 圭」 「かつまき…けい…」 名前を知った…それだけなのに… あなたを知れた。それだけで…心が暖かくなりやした…
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