prologue

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『あ、コレ、 超泣けるんだよね!!』 と言って、 ある1人の女の子が 携帯小説コーナーに 並べられていた 一冊の本を手に取り言った。 その本のタイトルには 《それでも、君を…。》と 書かれており、 友人であろう女の子が 「舞、また携帯小説なんか 読んでんの? 携帯小説なんかを読むヒマが 有るんだったら、 少しは教科書を読んで、 ちょっとは真面目に 勉強でもしたら??」 と、呆れたように そう言うと 『ちょ、本っ当に 泣けるんだってばっ! 私コレ持ってるし 今度桃にも貸すから 読んでみてよ! 絶対にハマるからっ!!」 と、一生懸命話す舞だったが 桃には全く興味が湧かない。 一般の小説ならともかく、 携帯小説なんかは 素人が書くもので有る事くらい 彼女にだって分かる。 それに、携帯小説なのに わざわざ本にしてまで 買う意味も また、彼女には理解し難かった。 読みたいならアクセスすれば 無料で読めるのに、 そこまで売れる理由も 彼女には理解不能。 ましてや それは《単なる物語》で 感動する意味も分からない。 fiction(作り話)なのに、 嘘の世界なのに…。 この時の桃にはどうしても そういう考え方しか 出来なかったのだが 翌日舞から無理矢理 手渡されたソレによって 彼女の冷めた考え方が ぐるりと180度も 変わる事になるとは その時の彼女は、 まだ、知らない…。
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