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「奈緒、なんかいいことあった?」 「え?」 佑実はいつも鋭い。 しっかり者の 浜本 佑実(ハマモト ユミ)は私の幼馴染みで演劇部の部長も務める才女だ。 佑実には隠し事ができない。 私が分かりやすいのかな? 「なんか最近楽しそう。 勉強も急にやる気になってるし、どうしたの?」 私は今、変身中。 でも、人のノートを盗み見してやる気が出たなんて、とても言えない。 「いや、頑張りたくなっただけ!」 「なにそれ」 うん!私もおかしいと思う!! 一番の親友は、不思議そうな顔をやめない。 弱音ノートは、私の背中を押してくれた。 《やれることから精一杯やる》 ノートに書いてあった言葉だ。 「いいの!」 何をすればいいのか、未だにわからない。 とりあえず目の前にあることを、やれるだけやることに決めた! 「ふぅん。 ま、いいや。 今日さ、部活遅くなりそうなんだけど」 「いいよ、勉強して待ってる」 「了解!」 これで、弱音ノートを読む時間ができる。
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