あの時

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あの時

職場の同僚が自殺した。 とはいえ、早番と遅番の間柄。接点はあまり無く、消防訓練の時一緒なったぐらいだ。 彼女は責任感が強かったのだろう。リーダークラスの人間が集められ会議になったときに上役から結果の出ないことをチクリチクリとやられたことがある。自分は適当に聞き流していたが彼女は真剣に受け止めすぎたのだろう。 仕事中にしゃがみこんでいたのを見たことがある。あの時一言でも声をかけてあげれば状況は…変わるはずもないが、悔いが残っている。 自分は接点があまり無かったが、カレにはあった。カレは彼女が好きだったのだ。カレは元々遅番だったが配置変えで商品管理の職となり早番になった。前々から引き継ぎで面識もあり、早番に移ってきたことで仕事後にプライベートで遊ぶ仲になった。 彼女の自殺後、カレは明るさを無くし心を病んでしまった。仕事も休みがちになり、遂には辞職することになってしまった。
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