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様子を見るか。もう少し近付いて姿を確認するか。
迷い。
それは自分の力を隠すべきだという信念や、戦いへの自信のなさ。
そんな葛藤を心の中で繰り広げる中、頭に浮かんだのは。
――レイの顔だった。
“絶対勝つよ!”
“やっぱミナトが同じチームで良かった!”
レイは本当にこの“サバイバル”というイベントで勝つことを望んでいる。
誰かのため。そう考えるとこっぱずかしいが。
それでも決意が固まったのに間違いは無かった。
行こう。戦おう。そして――勝とう。
自分に纏う迷いという鎧。それを脱ぎ捨てるように俺は木から飛び降りた。
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