翼なき者たち

story１

eye derction:ソフィール

私は生け贄に選ばれし者。
1千万という人の中の1人である。

みな、手首を鎖で繋がれ、
すすり泣いている。

大人から子供、様々な人種の人が今、前にいた部屋から移動させられている。

今から何が起こるか分からない。
いま分かるのはこれくらい。

私の名はソフィール。
ある貴族の見捨てられた子供。
メイドたちから嘲笑われ地下牢にずっと閉じこめられていた。

食事を３回渡しにくりか服を持ってくるかのどちらか以外私は人というものに会った事がなかった。

「さっさと、進め!!」

ピシッ!バシッ!とムチを打つ音が響く。
人々は肩を震わし、さっきより歩調を早めた。