story1

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俺は王様をチラリと 横目で見た。 もう、完全に血走っていた。 人の心が全くない怪物と なっていた。 視線を処刑者に向け直すと、 冷酷なる使用人テーゼが紐を 離した。 ギロチンが落ちてゆく 首めがけて…。   ズシャッ そう、そして スパッと首が切られ、 真っ赤な血があたりに 飛び散った。 まるで薔薇のように美しい 模様を描いていく。 首は弾みにのって放射線を 描きながらとんだ。 ふわり、と。 まるで重さがないみたいに。 ドサッと奴隷たちの 目の前に落ちた。 みな恐怖で目が 見開かれていた。 さぁ、そろそろ始まるぞ、 ウルフゲームが。
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