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肌をチリチリと焼く火炎の魔力は先程、床を溶かしてしまった程に高熱で。まるで生き物のようにうごめく火炎を戦士は手元から断ち切る。
真空の刃は燃え盛る火炎の魔力を断ち切る。太い火炎の魔力の真ん中を割った真空の刃は勢いをそのままに魔法使いの杖の先端を掠め、魔王の胸を撫でた。
真空の刃が撫でた部分から魔王の黒い体液がたちまち噴き出して、大きく魔王を動揺させる。これが勇者パーティー初手の傷口。ここに来て初めて通した攻撃が魔王に傷口を作った。
「へへっ……へ……あとは」
――任せた、と繋がるような言葉を言わないまま戦士は、まだ高熱に当てられている地面に倒れ込み、身動き一つしなくなった。
「ああ、すぐに助けてやるからな」
その姿を見ていた勇者の唇からは、深く噛み締められていた傷があり、歯型の傷口から血が流れ落ちる。
「さて魔王。愛すべき仲間達を返して貰うぞ。いくぞ―――――」
勇者の体が光に包まれ、勇者の体から力が解放され――
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