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出会い
ピピピピッ…ピピピピッ…
(うるさい…)
重たい頭の奥の方で、機械的にアラーム音が一定の間隔で鳴り続ける…
「う…ん…んっ…んーっ」
手だけを伸ばし、手探りでスイッチを切った。
ホッと安心して手を引っ込めた途端…
ピピッ…ピピッ…ピピッ…
ビックリして枕元に置いてある携帯を手にとって切った。
冬の朝は、やっぱり目覚まし時計だけじゃ起きられないから、万が一にと携帯アラームをセットして正解だった。
(はあ…。今日から、ついに2月に入っちゃったか…もう、すぐ来ちゃうよ…14日…)
画面の日付に目をやり、『ふぅ』っと小さな溜め息を吐いた。
先日の瞳との会話が頭に浮かんだ。
『いいかげん…はっきりさせたら?』
そんなのわかってる…
わかってる…けど…
こわい…
『でないと…いつまでもこのままじゃない?カホは本当にそれでいいの?』
本郷かほり…高校1年生の16歳。
それは遡ること、私が中学1年の時から始まっていた。
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