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14日ーーー
朝から酸欠状態の私…対照的に瞳は彼氏とラブラブムードで私の神経をひたすら煽り立てる。
「空気読んでよっ!!」
「じゃ、私の空気読んでくれる?」
呆れて笑ってしまった。
放課後ーーー
「頑張って。私の胸はいつでも開いてるよ」
「それってダメってこと?もう!」
さすが瞳…私をほぐすのが上手い。
バイト中だって、緊張はおさまらない。時計の針ばかりが忙しく動いて、秒針の音まで聞こえそう。心臓なんかマラソンの後くらいバクバク動いてる。
(酸素…酸素が欲しい…息が苦しい…)
「よっ!かわり?何て顔してるんだ?いつも以上にブッサイクだぞ」
「グハッ!」
いきなり先輩に頭にチョップで声をかけられ、心臓が口から出るかと思うくらい驚いた。って入って来たことにも気づかないでいたなんて、ダメダメ店員じゃないの、私。
「き、今日はすみません…すぐ行くんで…外の公園で…待ってて下さい」
私は店長に頼んで少し店を抜けさせてもらい、前の公園へと向かった。
(キターッ!頑張れ、私…)
先輩の前に行くと、いつもより何割増もカッコ良く見えて…吐く息が白くて幻想的で…
(ダメだ…ヤバイ…カッコ良すぎてクラクラする)
「“相談”って?」
寒空の下なのに文句も言わずに来てくれ、待っててくれたことがとても嬉しかった。
やっぱり、たまに見え隠れするこう言う優しいとこが…私の心を鷲掴みにしてるんだよね。本人はおそらく無自覚の飴とムチの絶妙の使い分けがたまらないのよ!
「は…い…。あの…ですね…その…」
深く息を吸い込み、ゴクンと唾を飲み込んで私は顔を上げた。
「実は、私…先輩のこと、好きなんです。ずっと…ずっと中1の頃から…先輩のことだけが、大好きなんです」
真っ直ぐに立って、必死に目を見て言った。
(あ、先輩驚いた顔してる…こんな私からの告白なんて引いちゃった?ああ…でも…もう…引き返せない…)
「よ…良かったら…コレ、食べて下さい…」
私はチョコの袋を震えながら渡した。
「では…今日は時間作ってここまで来ていただき…ありがとうございました。それじゃ」
頭を下げると、ビュンッと脱兎のごとく店へと戻った。
それからの記憶なんて全く残っていない。
でも、あっと言う間にバイト時間は終了してた…
携帯を見て…
「やっぱり先輩からのメール…ないか」
『はあ』とため息をつき、瞳に電話した。
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