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第一章...
●○プロローグ●○●
「「かなたくんっっ!!」」
小さな影が3つ。
そのうち2つは先を急ぐ
1つの影を追いかけている。
「あおいちゃんっ!あずさちゃんっ!はやくおいでっ」
男の子は立ち止まって振り返り、2人を呼ぶ。
「まってよぅっっ」
「はやいよぉ~…きゃっ」
「あずさちゃ…だいじょーぶー?」
1人が石につまずいて転んでしまう。
そして、その背後から運送会社のトラック。
いつもなら滅多に通ることのない車。
男の子の頭には母親の言葉。
『あの道は暗いし、危ないから、あんまり遊んじゃ駄目よ。』
──────────────────
思わず耳を塞ぎたくなるような音。
小さな2人はただただ立ち尽くす。
「…あず、ちゃん…?」
小さな女の子は呟く。そして、───────
成長した男の子は思う。
(あの時俺が、仔猫を見つけていなければ!!母さんの言う事を守っていれば!!)
部屋で1人、男の子は悔やむ。
───「ねぇ、あおいちゃん。あずさちゃん。ねこさんみにいこっ!!」──────────
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