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スイミングクラブに入会手続きをしに行った時、受付で対応してくれたのが今コーチをしてくれている林徹さんなんだ。俺は、過去におぼれかかったことがあって、水泳が苦手になったことや採用試験に水泳があることなどを林さんに話たんだ。
「それなら、コーチにしっかり習った方がいいよ」ってアドバイスされたんだ。
「そうですか・・・・」
「夜なら大人のクラスがあるよ。僕も実は教えてるんだけどね」
「へえ、そうなんだ」
そんなこともあって、俺は林さんのクラスに入ることになったんだ。
スイミング教室の初日、俺はどきどきしながらクラスレッスンが始まる三十分前にクラブに行ったんだ。更衣室に行くと、二十代後半の男の人が着替えていたんだ。
「こんばんは」
「こんばんは」初対面だったけど、お互い挨拶した。俺が、スポーツバッグから水着やタオルを出していると、その人は着ている物をすべて脱いでしまい、すっぽんぽんになってしまったんだ。ポロシャツ姿の時はスポーツマンらしく小麦色に日焼けした顔が印象的だったんだけど、小麦色の日焼けは顔だけじゃなかった。全身真っ黒に日焼けしていたんだ。
「こんばんは」
「おっ、ひさしぶりっすね」そう言いながら短髪の男が更衣室に入ってきたんだ。
「先週は、仕事で遠出してたから、これなかったんっすよ」
「そっか、元ちゃんもいけなかったんだっていってたけど・・」
「そうだな、先週は俺とコーチだけだったから、しごかれたよ」
「そうだったんだ」
ふたりは知り合いらしく、着替えながら話をしていた。着替えが終わって俺はプールの方に行ったんだ。レッスンが始まるまでにまだ少し時間があった。
俺がプールの中でウオーキングしながらウオーミングアップしてると、コーチの林さんが出てきたんだ。
「すっげえ、腹筋ぼこぼこじゃん」俺は思わず言ってしまった。コーチの林さんは、俺を見つけ手招きしたんだ。
「プールに入る前に軽くストレッチやるから、二階に来てくれる?」
俺がコーチの林さんと二階に上がると、すでに何人かの男たちが集まっていた。
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