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俺は速水さんに連れられて、ショップの中に入っていったんだ。 「いらっしゃいませ」 「よっ」 「この間頼まれたやつ、あったよ。見てみるか?」そう言うと店員は奥の方に入って行ったんだ。 「やつ、俺のダチ。同級生なんだ」と速水さんが言った。 「さて、どれにするかなあ?」速水さんは、そう言いながら水着コーナーの場所に移動したんだ。 速水さんは、カッティングや生地など競泳パンツの説明をしてくれた。 「これだよ」そう言ってさっきの店員が紙袋を持ってきたんだ。 「もう絶版になってるから、けっこう苦労したんだぜ」 「すまんなあ。知り合いがさこれいいって言ってたからさ」 「うん、まあな。結構人気あって、確かによく売れたしなあ」 「この三つは、俺には小さすぎるなあ。いくらちっこいのがいいって言ってもなあ、これはちょっと無理だ」 「あ、そうだ、中丸君ならあうんじゃねえのかなあ、このサイズ」 俺は、箱にかいてあるサイズを見たんだ。『SS』という文字が・・・・・。 「無理ですよ。俺はいつもMサイズだから」俺がそう言うと、 「競パンは2サイズくらい落とすのがいいんだよ。そうだよな?」 「うん、そうだな。水泳やってる人は、たいていサイズを落としてるかなあ」そう店員が言った。
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