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そんな中、俺が気楽でいられるのは、授業中のだれもいない図書室だった。
生徒が授業を受けている間、悠都はいつも図書室で字の勉強をしている。
この世界の字を覚えないと、いろいろ面倒そうだからだ。
【?】
「勉強?」
字の本を読んでいると、一人の女子に話しかけられた。
身長は普通の女子、という感じだが、胸は今後に期待、ただし、引き締まった顔つきは、凛々しいという印象を与えた。
あと、特徴的なところは、髪を長くして後ろで縛っているところだろう。
たしか、この人は…
【?】
「私、フィオナ・テーリス。」
【悠都】
「えと、初めまして、フィオ…」
ペチッ
いきなり、デコピンされた。
なぜだろう。何か無礼なことをしただろうか?
【フィオナ】
「あなた、使い魔だから、敬語、使って。」
そういうことか…
【悠都】
「フィオナさん。」
ぺチッ
無言
【悠都】
「ミス・テーリス?」
コクリ、とうなずいた。
ここでは、ミス~、とかミスター~が敬称になるのか。
ユウとは普通に話しているから、その辺を気にしたことはなかった。
しかし、まだ俺の気楽タイム、もとい授業中だ。
なぜ、ここに生徒がいるのだろうか?
【悠都】
「ところで、今は授業中だけど、ここにいていいのか?」
【フィオナ】
「敬語…」
俺はこの世界の人間からしたら使い魔。
つまり、奴隷のようなものだ。
さらに、俺は使い魔+平民なので、貴族様にタメ口はだめ、ってことですか。
ユウがそういうことはあまり気にしないから、ちょっとやりづらいな。
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