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次の日の朝。
目が覚めると、ユウがいなかった。
ザ―――
シャワーの音が聞こえる。
これは、気にしないでいた方がいいだろう。
いや、変なことを考えないようにしよう。
とりあえず、顔を洗おう。
部屋を出て、共有の洗面台まで行く。
ユウは寮住まいなので、シャワーや洗面台は部屋についているが、俺はユウの言いつけで、洗面台は階段の近くの共有のを使うことになっている。
さすがに女子が使っているのを俺が使うわけにもいかないので、一つ下の階の男子の共有の洗面台を使う。
寮は6階建てで、1~3階が男子、4~6階が女子が使うことになっており、ユウは5階の部屋に住んでいる。
下の階がロークラス、真ん中の階がミドルクラス、上の階がハイクラスが使うことになっている。
とりあえず、ハイクラスの洗面台は怖いので、2階まで降りる。
そこで顔を洗い終えると、声をかけられた。
【?】
「おや、おはよう、ユウの使い魔君。」
【悠都】
「おはよう、え~っと…」
【?】
「シベルト・ラデインだ。
炎の魔法が得意分野だ。」
【シベルト】
「えと、やっぱり、敬語の方がいいですか?」
【シベルト】
「おいおい、俺らは同じ男子、君は使い魔かもしれないが、同じ人だ。
そんなのいらないよ。
僕のことはシベルトでいい。
君は?」
【悠都】
「あ、俺は悠都・皇樹。
敬語じゃなくていいなら、悠都って呼ぶんでくれ。」
【シベルト】
「わかったよ、悠都。」
朝、新しい友情が芽生えた!
と思う。
貴族にも、こういうやつがいるんだと思った。
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