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次は、夜叉の説明に移る。
それは遥か太古から存在していた。詳しく突き詰めるなら、人間が魔法という恩恵を預かったその時から地球に現れたとされている。
第二世界の頃には一時的に姿が消えて、第三世界に突入した頃に再び姿を現すようになった。
一般人はおろか、魔法武芸者すらも殺すその存在は災害として捉えられている。勿論、魔法武芸者は夜叉から一般人たちを護るために日夜修練に励んでいるわけだが。
夜叉が人を襲う理由は数多くある。肉の中で人肉が最も好きだからや、最上位捕食者としての立場を本能的に認識しているからなど、学者によって意見は千差万別。
夜叉には三つの姿形がある。
レベルの低い順に、地夜叉、空夜叉、虚空夜叉となる。
地夜叉は文字通り、地面の上でしか存在できない。学生の魔法武芸者でも充分に鍛練していれば倒せる敵。
空夜叉は、地夜叉は違って空を飛べる。重厚な羽が背中から生えているからだ。強さも格段に上がっており、各国の軍人やギルド兵士に匹敵する力を持っている。
虚空夜叉は、空夜叉と同じく羽が生えているけれど、蝙蝠のように薄く小さな羽。しかし、その速さは段違い。さらに、魔法も扱えて人語も話せるようになる。
アベル曰く、群れを為している虚空夜叉は五吼や各国の幹部クラスの人間が二人集まれば倒せるらしい。
しかし、一匹狼気質の虚空夜叉は群れを為す者たちと違い、わざわざ三剣が出陣しなければならないレベルの強者揃い。
アベルも、本編より一年前に、ザルバリアの古代遺跡で虚空夜叉を殲滅している。
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