1、 聖なる光に忍び寄る闇

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「オフィーリア様、もうそろそろ剣術稽古のお時間です。」 いつの間に入ってきたのか、使用人が迎えにやって来ていた。 「丁度良かったね。さぁ、頑張って!打倒アルバート兄弟だろ?」 レクスターは、面白半分で前に噂で聞いたことをオフィーリアに問いかけてみた。 「うん!カイルには勝てるようになったけど、キールはまだ一度も勝った事がないの。今日こそは頑張るわ!」 思いもよらぬ彼女の答え。おもわず目を見開く。噂の事だけではない。彼女が口にした言葉。 『カイルには勝てる。』 そう、言ったのだ。 (年端もいかない女子がカイルに剣術で勝つだと?) ありえない。そうレクスターは思ったが、目の前にいる女の子は揺るぎのない目で語っている。 (神に愛された子、か・・。) ふっと笑うと、オフィーリアの髪を撫でながら、『頑張れ!』と言って部屋を出て行った。 それからあっという間に日が経ち、とうとうオフィーリアの誕生会が開かれることになった。 もしかしたら・・と期待してみたのだが、やはり四龍公達は自分の領地に留まっていた。 『はぁー正直めんどくさいなぁ。』 などと考えているのも頷けるほどの流石は高位貴族主催のパーティー。招待客も半端ない。 主役のオフィーリアの近くには常にアルバート兄弟が就いている。 以前リュリシンが頼んだ通りに、護衛としてしっかりと仕事をしているのだ。 「キール~。まだ挨拶回りはしなきゃいけないのかなぁ。」 若干疲れ気味のオフィーリアが尋ねる。 「そうですね。殆どの挨拶は終わったと思います。あとは、最後に皆様の前での一言のみでしょう」 「えー、そんなのあったっけ~?何にも考えてないんだけど・・・。」 いかにもやる気のない声の彼女に思わず苦笑する二人。 そんな彼女の元に、リュリシンがやってきた。 「オフィーリア。みんなにご挨拶なさい。そしたらあとは踊るなり自由にしていいよ。」 その言葉を待ってましたと言わんばかりに、彼女の瞳が煌めいた。 「わかりました、お父様。精一杯頑張ってきます。」 そう言うや否や、二人を連れて上座の中央に向かって行った。
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