プロローグ

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はるか昔、一人の青年が立ち上がった。 人を人と思わない差別、植民地であるが故の横暴などに心を痛ませ、独立するために行動を始めたのだ。 たった一人で始めた行動は次第に人を惹きつけていった。そして、滅多に人前に出て来ないと言われていた四龍の心も動かした。 『我々も貴方に就いて行きます。どうか、ここの民を平和に導いてあげて下さい。その為に、我々も力を貸しましょう。』 四龍の力を借り国をまとめ上げた時、神の一人である麒麟が青年に問うた。 「汝、何の為に力を得、これからの世をどうしてゆくのか」 と。 青年は臆することなく答えた。 「私は、自分を信じてくれた人の為に国を作ろう。そのために自分の命が必要とあらば捧げる。」 その言葉に、麒麟は頷いた。 「我は、天界の麒麟。ここにか の者を認め我が加護を与える」 青年は、麒麟の加護を得たのだ。 四龍に認められ、麒麟の加護を得た青年は、カトライナ王国の初代国王グルディールとして世に名を残した。 そしてカトライナ王国には、四龍の守護者が誕生した。 彼らは神ではないので不老不死ではないが、人よりは長く生きる。 国王ではなく王国を守るというグルディールとの盟約により、これからもずっと何代と続いていく四龍がカトライナを見守っていくだろう。 こうして、カトライナ王国の歴史は始まった。
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