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「可愛い可愛い我が娘なんだ。王太子でなくとも、誘拐されるに決まっているぞ。」
無言のまま三人は見つめ合う。アーデルに至っては、苦笑している。
ここにきてまさかの親バカ発言。
少なくとも重大な事があると思っていた二人も、流石に固まってしまった。
どれくらい時間が経ったのだろうか。寝ていたはずのオフィーリアが起きていて、キールとカイルの目の前に立っていた。
「お二人ともこんにちは。ずっとポケーっとしてたけど、大丈夫?」
アーデルに似たのであろうくるりとした緑の目で、視線を合わせようと必死に背伸びをしながら声をかけきた。
その姿にハッと我に返った二人は、オフィーリアに抱きついた。
「任せてください!オフィーリアに近づく者は我々の剣の錆びにしてさしあげます!」
なんとも頼もしい発言だが、この格好では威厳も何も無い。
しかし、二人は満足したのか胸を張っている。
よく話が分からないオフィーリアは、頭に(?)を浮かべるが、この何ともいえない空気で何故か話が終わったのかと勘違いし、二人を連れて遊ぶ為に部屋を出て行こうとする。
「今日は風が強いので、気を付けて遊びなさい。」
アーデルは三人に注意をし頭を撫でた。三人は頷くと、今度こそ部屋の外へ駆け出していった。
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