1、 聖なる光に忍び寄る闇

5/16
前へ
/18ページ
次へ
「可愛い可愛い我が娘なんだ。王太子でなくとも、誘拐されるに決まっているぞ。」 無言のまま三人は見つめ合う。アーデルに至っては、苦笑している。 ここにきてまさかの親バカ発言。 少なくとも重大な事があると思っていた二人も、流石に固まってしまった。 どれくらい時間が経ったのだろうか。寝ていたはずのオフィーリアが起きていて、キールとカイルの目の前に立っていた。 「お二人ともこんにちは。ずっとポケーっとしてたけど、大丈夫?」 アーデルに似たのであろうくるりとした緑の目で、視線を合わせようと必死に背伸びをしながら声をかけきた。 その姿にハッと我に返った二人は、オフィーリアに抱きついた。 「任せてください!オフィーリアに近づく者は我々の剣の錆びにしてさしあげます!」 なんとも頼もしい発言だが、この格好では威厳も何も無い。 しかし、二人は満足したのか胸を張っている。 よく話が分からないオフィーリアは、頭に(?)を浮かべるが、この何ともいえない空気で何故か話が終わったのかと勘違いし、二人を連れて遊ぶ為に部屋を出て行こうとする。 「今日は風が強いので、気を付けて遊びなさい。」 アーデルは三人に注意をし頭を撫でた。三人は頷くと、今度こそ部屋の外へ駆け出していった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加