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「で?家出中?」
「……………」
帰る家なんかない……
みんなもう、死んじゃったから、殺されたから………
「……まぁ…理由は、話したくなったら、話して下さい」
そう言って人間は、私から離れた。
良かった、衝動が来る前に居なくなってくれた、と思っていたら
「ほい」
人間は、私に缶のジュースを差し出した。
「あら?炭酸ダメかい?ダメならリンゴジュースもあるよ?」
「……なんで?」
私は、つい話しかけてしまった。
解らなかったから、この人間の行動が、その意図が
「なんで?って言われてもなぁ~うーんそうだねぇ」
人間は、腕を組み、首を傾げ、唸りながらあからさまな程の考える素振りをしてから、思いついたというより、思い出したという感じでハッキリと
「1人って寂しいじゃんか」
「……それだけ?」
「そ!それだけ!それが全て!!」
ニカッと笑い私の手に缶ジュースを握らせる。
「……ありが…と……」
「どういたしまして!!」
また、笑って私を見ていた。
「……っ!!」
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