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携帯のアラームの音で俺は目が覚めた。
頭がガンガンする。
夕べは飲み過ぎた。
次の日が休みだからと、仕事が終わってから同僚3人と朝まで飲んだ。
3軒目のBARまでは覚えているが、4軒目の記憶は途切れ途切れだ。
重い身体を起こし携帯をみると、昼の3時を過ぎていた。
テーブルの上に投げ出された財布を開いてみる。
「やっちまった…くそっ…!」
千円札が2枚しか入ってない。
夕べの段階では3万円以上入っていたのにだ。
もう一度「くそっ!」と吐き捨て、俺はキッチンへ向かおうとして足を止めた。
床に投げ出された上着のポケットから、レシートがはみ出ている。
俺は上着を拾い、レシートを取り出した。
「BAR…カオス?」
記憶を辿ってみるが、今まで行った事のない店の名前だった。
「38000円て…」
記憶もない状態で、3人で38000円は、調子に乗って高い酒を頼んだか、ぼったくりにあったかだ。
俺はレシートを握りつぶしてゴミ箱に投げ捨てたが、軌道が逸れて弾かれた。
拾うにも腹が立って、「アー!!」と叫び、冷蔵庫を開けお茶のペットボトルを出すと一気に喉に流し込んだ。
‥
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