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映画鑑賞が終わり、彼女はうどんを鍋に投入した。
俺はようやく食欲が戻り、ビールと共に鍋を楽しんだ。
しばらくして、ビールから焼酎に変わった頃、俺はふと彼女に聞いてみた。
「なあ、ルミ。もしさ、今観た映画みたいに俺がゾンビとかになったらどうする?」
「ハァ!?」
「いや、もしそうなったらだよ」
「そんなの守るに決まってるじゃない」
「え?守る…?」
「だって軍隊とかにやられちゃうでしょ、ゾンビちゃん達は。だからタケルがゾンビになったら守るよ」
俺は吹き出してしまった。
怪訝な表情の彼女を思いっきり抱きしめる。
「日本は軍隊じゃない、自衛隊だよ」
「知ってるよ。どうせアメリカが参入してくるから軍隊って言ったの」
「なるほどね。でもさ、ゾンビちゃんになったら、俺は理性を無くしてルミを襲うかもしれないよ。それでも俺を守るのか?」
「つーか、今だって襲ってるじゃん」
抱きしめそのままソファーに倒した事を彼女は指摘する。
「確かに。でも本当に俺がゾンビになったら抵抗するだろ?」
彼女は少しの間、目線をそらしたが、すぐに俺を直視すると、
「私がいないとダメでしょ。だからゾンビちゃんの仲間になってあげるよ」
俺は彼女にキスをした。
‥
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