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指先で弾かれたボールは相手のチームへ。
鋭いパスに翻弄され、ディフェンスに入る前にボールはゴールネットを揺らした。
ピッと音を立てて『2』の文字を相手チームに刻む得点板。
耳を劈くような歓声に美穂は耳を塞いだ。
「あーあ、なにやってんだか」
その声に隣を見れば、
「真由美!来てたの!?」
美穂は隣でニコッと笑う真由美に驚いて。
「当たり前!遠いから来てる人数は少ないけど女バスは全員ね。って今朝もメールしたのに!」
「あ、ごめん」
そういわれて、携帯のチェックなんてしてないことに今更気づく。
だけど、そんなことしてる余裕なんてなかったわけで。
「いいよ、あっ、こらっ!コータ!!ハンズアップ忘れるな――っ!!」
真由美の叫び声に美穂は急いで視線をコートに戻した。
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