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午後からだと、あっという間に学校終わるな。毎日がこんな感じだったら良いのに。
「優!行こう!今日せっかく予備校ないんだから!急いで帰る支度して!」
理美は元気だな、と思いながらゆっくりと帰る支度をする。教科書をカバンに入れ終わると、理美がカバンを取って行ってしまった。
「優!急いで!早く早く!」
元気過ぎて困る。仕方ない。理美を追いかけるため、走ることにした。くそ、走るの苦手なのに。
「理美!あんまり走らないの!転んで怪我して泣いても知らないぞ!」
「子供扱いするなー!不思議な文房具屋まで急いでいくのだー!ダッシュダッシュ!」
あ、理美が転んだ。
「理美は期待を裏切らないね。よしよし。怪我してないか?これからはゆっくり歩いて行こうか。」
「痛い。痛い。もう私はダメだ。後は任せた。バタ」
そう言うと、理美は寝たふりをした。
「ハニー、私のキスで起こしてあげようじゃないか。」
「馬鹿野郎!余計なことするな!私は疲れたんだ!痛いんだ!寝かせろ!」
「じゃぁ、文房具屋さんはやめるか?こんなところで寝てたら皆に見られるぞ」
「よし、不思議な文房具屋さんに行くぞ、いますぐだ。走るぞ!」
「理美!今転んだばかりでしょ!」
「うるさいー!もう復活だ!怪我なんかしていない!私は走るんだ!」
なんて元気な子だ。
もう本当に走るのは嫌だ。また転んでくれないかな。
「あ、また転んだ」つい声に出してしまった。
「優の馬鹿野郎ー!転んで欲しいとか心の中で思うから!もう良い!歩くよ!」
観念したのか、やっと歩いていくことに決めてくれたみたいだ。助かった。
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