文房具屋

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予備校帰りの電車は混んでいるが、今の時間帯は空いている。 空いている電車の中で、理美はずっと私に話しかけてくる。私だけに聞こえるぐらいの声で。 周りに迷惑をかけないようにしているのだろう、私には迷惑だ。せっかく座れたのだから、今は目を閉じていたい。 「優!寝ちゃったのー?優ってば!」 寝たふりを続けることに決めた。絶対に反応しない。そう決めた瞬間に痛みが私を襲う。 「ぎゃあー!痛い!肉をつまむな、肉を。倒すぞ」 「やっぱり起きてた、私の話を無視して、寝たふりをするからいけないのです。その罰なのです。」 可愛いが、理美が非常に憎たらしい。今は寝たいのだ。寝たい時というものがあるのだ。 「分かった、分かった。話を聞くから。周りには迷惑かけない程度の声でね。」 「分かってますとも、周りに気を使える良い女が私です。心配ご無用なり、ころすけなり。」 こいつは、私に迷惑をかけているということは、綺麗さっぱり無視しているようだ。
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