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「中崎くん?慌ててちゃわかんないよ」
私は首を傾げ、「…早く」と促した。
「…っあ…その……俺、岡崎のこと、好き………だ!」
…………はい?!
「えっ、え?!中崎く…ん」
中崎くんは私の両肩を掴み、真剣に私を見つめた。どうしよう………
「…付き合ってくれねぇか?」
「あの…ごめんなさい」
私は中崎くんの腕を押し返した。
「ごめん…ね。私、神田先輩と付き合ってるの。だから、中崎くんとは…付き合えない。」
私も中崎くんの目を見て言った。…ごめんね、中崎くん……
「でっ、でも!」と、中崎くんはいい返してくる。
「神田先輩って…女たらしって有名じゃん!だから、俺と付き合ったら、浮気なんてしねぇし、岡崎のこと、大事にする……!」
先輩、やっぱり有名なんだ…
私は胸が苦しくなって、ぎゅっと右手で服を掴んだ。
「うん…そうだよ。先輩は浮気者で、いっつも他の女の子を優先してるよ。」
少し間をおき、「でもね、」と続ける。
「先輩、他の子を優先した次の日、目一杯私に優しくしてくれるの……。だめなんだろうけど私、『先輩のこと、好きだなぁ、離れたくないなぁ』って思っちゃって…だからね…ごめんね。私中崎くんとは付き合えない」
そう言い終わった後、私はそこから逃げるように、走って出ていった。
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