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―――『来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身も焦がれつつ
権中納言定家』
図書室で、こんな短歌を見つけた。…百人一首って、こんな和歌(うた)あったんだ……。
意味は――――――
「どれほど待っても、彼は来てくれない。彼を待つ私は、松帆の浦の夕なぎに焼く藻塩のように、毎日私は、身を焦がれるような思いでいます」
「―――っ、先輩!」
私の後ろに先輩が、本棚に寄っ掛かりながら代弁してくれた。
「先輩…何でココに?」
「ん…。何となく?」
「あははっ。何でそこ、疑問けい?」
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