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「嘘……でしょ…!!!!」
確かに開けていた。
先には大地がなかったが。
「崖だなんて……!!!!」
確かに斜面が多かったがまさか本当に山だとは…
後ろからは男達が近づいてきている。
どうしたらいい、どうしたら……!!!落ち着け、落ち着け、よく見ろ…!!!
すると崖は下は暗いものの案外高く無く、すぐ後ろには何個かの石が連なっていて、ゆっくりだったら降りて行けそうだった。
「……良し、」
スクバをリュックの様に掛け
少しずつ、少しずつ慎重に足をかけて行く。
やがて、元いた地面からは椿の体が見えなくなるまで下がった時に上から
「あの女何処行った!!」
「こっちじゃなかったのか??」
「いや、確かにこっちに来ていた。近くにいるはずだ、捜すぞ!!」
という会話と遠のいてく足音が聞こえてきた。
「良かった……!!!」
そう、ホッとしたのが悪かったのか、
ずるりと椿が手をかけていた石が
崖から抜けた。
「え、嘘っ!!!きゃあああああああっ!!!!!!」
まだ地面とは結構な距離があった。
あぁ、死ぬのかな。
椿の意識と体はそのまま崖の下の深い闇へとおちて行った。
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