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RPGで貰える経験値が異様に高いモンスターがよくいる。それらは経験値に目が眩んだ腐れ勇者パーティーに意味もなく狩られるのだ。
そういうモンスターたちに少年はしみじみと同情した。
町一番だった不良を倒せば、不良としてのステータスはぐーんと上がる。
あの○○を倒した人だぜ、マジパネェ。マジリスペクトっす!
というように、とりあえず舎弟の数は何倍にも増えるだろう。
ようやく息が整った頃に、薄暗い路地裏の向こう側から不良たちの叫び声が聞こえた。間違いない、奴らだ。
「いたぞ! 荒義(あらぎ)がいたぞ!」
「今日こそブッ殺してやッからなァ、覚悟しろよ、荒義ィ!」
「マジ、ブッコロ!」
自分の名前を大声で叫ばれた荒義。少し恥ずかしく思いながらも、声がした方向から背を向けて走り出した。
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