25人が本棚に入れています
本棚に追加
全員黒の学ランを着崩しており、モヒカンなり、剃り込みなりを入れている奴らが、一斉に路地裏に雪崩れ込む。全部で六人。
相手をしてもいいが、荒義は妙なトラブルは避けたいので逃げることにした。
路地裏を抜けると、日曜日の午後二時の太陽が荒義の頭上から射してくる。道路を挟んだ向こう側に高速道路があり、周囲はフェンスで囲まれていた。どうやら空き地のようだ。
管理がなっていないのか、雑草がそこかしこに生えていた。もちろん不良と荒義以外の人影は見当たらない。助けを呼ぶことはできない。
暑くもなく寒くもなく、絶好の天気だ。こういう時は喫茶店でゆっくりと午後のティータイムを満喫したいものだ、と荒義は溜息をつく。
「あーあー、結局コレかよ……」
最初のコメントを投稿しよう!