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呆れた口調で、荒義は前方を取り囲む四人の不良たちに言った。
待ち伏せされていたのだ。もう逃げることはできない。拳を振るうのは嫌だが、一方的にやられるわけにもいかない。
毎回毎回、治療費を払えるぐらいの金額を荒義は持ち合わせていないからだ。
四人の中で一番目立っていた虹色モヒカンヘアの不良は、腰パンして靴の隠れたズボンを引きずりながら俺に歩み寄ると荒義を睨みつけた。
「腰パンするにも、もうちょっとカッコいいパンツを履こうぜ?」
とってもプリティーな《いちごパンツ》がズボンとシャツの間からチラリ。
「あぁん? 俺のファッションセンス舐めとんのかァ?」
「お前のファッションセンスは、人類にはちと早すぎたな」
いつもこうやって包囲されては、返り討ちに遭わせている。校章からして、隣町の荒れた高校の奴らだと荒義は推測した。
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