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まるでピタコラスイッチのような惨劇。周囲に飛び散った鮮血、泣き喚く不良のボス。救急車を呼んだのは荒義だった。
喧嘩の練習をしていたら誤って車道に飛び出てしまった、ということにしていた。
事情を察したのか、救急隊員の一人は手を当てて静かに笑っていた。
おい目の前に血だらけで死にそうな患者がいるんだぞ、とでも言いたくなるような……光景であった。
そんなこんなで、荒義は一ヶ月ほど前から、その舎弟たちに追われている。
「よし分かった。じゃあ、君がこの町一番の不良だ。元一番の俺が認めた。どうだ?」
「お前ぶっ殺さないと意味ねぇし! それに俺らは《隣町》だ」
「あーそうね。じゃあ、ゲーセンの格ゲーで勝負だ。あれなら……」
「ナメてんのかァ!」
荒義の目の前で怒鳴る不良。お前のいちごパンツのほうがナメている、とツッコミたくなる荒義だが、ここはグッと堪えた。
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