【0】そして世界は死んだ

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 いったい何人が犠牲となって、ここまで辿り着いたのだろうか。  少女の瞳には薄っすらと涙が浮かんでいた。フワフワとした長い金髪を靡かせ、幼さの残った小さな体を起こす。  全身に身に纏った灰色のプレートアーマーの胸部には焼け焦げ痕があり、左腕の部分は肉が引き裂かれたかのように抉れている。右手には少女の背丈と同じぐらいのロングソード、左手には鉄クズ同然と化した盾が。  蒼い左目には、死んだ仲間たちの姿が映っていた。  黒い右目には、倒すべき異形の怪物の姿が映っていた。 「許さない……」  少女の声は殺意に満ちていた。  崩壊した天井の向こう側から射してくる月の光、抉れた地面のタイル、そして建ち並ぶ荘厳な造りの柱たち。  周囲に倒れているのは、灰色のプレートアーマーを身に纏った騎士たち、少女の仲間だった者たちだ。
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