ある日

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「お父さん、開けて!! お願い、パンを頂戴!!」 ドンドンと戸を叩きながら、リンは叫んだ。 ガチャ……… 「お父さ───」 リンの声は止まった。 自らの父に、首を絞められていたのだ──── 「……うるせぇな、マッチは売ってきたのか!? 金が無けりゃパンはやらねぇ!!」 「………っ………は…………ぃ……」 父は凄い形相で首を絞めながら叫んだ。 リンは涙しか流せなかった。 バタン………… 戸が閉まった……… 「………ふっ…… うぅっ………」 泣きながらリンは体を抱きしめた──
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