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仕方ないとばかりに鞄から携帯を取り出し、いじることにする。
カチ、カチ。
今日はあんまりツイてないな…。そう思いながら。
「キャーーーー!!!」
「うわあ?!」
突然の悲鳴に思わず落としかけた携帯を畳み、声のしたほうへ視線をあげる。
……今日は本当、ツイてない。
まだ小さな子どもが道路に飛び出したらしい。
キョトンとした顔で目の前に迫るダンプを眺めている。
僕は無意識のうちに手に持っていた携帯を投げ出し、子どもの方へと走っていた。
何故かいつも重たい体が軽く感じる。
周りの景色がとてもゆっくりで、あっというまに子どものほうにまでたどり着き、子どもを突き飛ばす。
男の子だ、地面に体を打ちつけても………問題は………、すごくいたそう、ごめんなさい!
パッパッパーーーー
車のクラクションが、頭で響いてとても気分が悪くなった。
キキィィィィ!
ドンッ
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