事件は突然に。

4/4
前へ
/98ページ
次へ
仕方ないとばかりに鞄から携帯を取り出し、いじることにする。 カチ、カチ。 今日はあんまりツイてないな…。そう思いながら。 「キャーーーー!!!」 「うわあ?!」 突然の悲鳴に思わず落としかけた携帯を畳み、声のしたほうへ視線をあげる。 ……今日は本当、ツイてない。 まだ小さな子どもが道路に飛び出したらしい。 キョトンとした顔で目の前に迫るダンプを眺めている。 僕は無意識のうちに手に持っていた携帯を投げ出し、子どもの方へと走っていた。 何故かいつも重たい体が軽く感じる。 周りの景色がとてもゆっくりで、あっというまに子どものほうにまでたどり着き、子どもを突き飛ばす。 男の子だ、地面に体を打ちつけても………問題は………、すごくいたそう、ごめんなさい! パッパッパーーーー 車のクラクションが、頭で響いてとても気分が悪くなった。 キキィィィィ! ドンッ _
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

187人が本棚に入れています
本棚に追加