0人が本棚に入れています
本棚に追加
…どれくらい眠っていただろう?
時計を確認すれば良い事なのだが、いつも枕元に置いてある筈の目覚まし時計が無い。
いや、正確に表現するならば「見えない」のだ。
どこに目をやっても、変わることなく広がり続けている闇。闇。闇―。
そうだ、電気を点ければ良い話ではないか。
俺は一体何を焦っていたんだろう。
「電気、電気…と。…あれ?おかしいな…。」
無い。
スイッチが無い。
と言うより、そもそも壁すらない。
薄々気付いてはいたが、眠りにつく時までは確かに寝ていた年季の入ったベッドも無い。
…恐らく…、砂浜のような柔らかい土の上に寝ているのだと思う…。
しかし、ここが何処なのか検討もつかない上、屋外なのか屋内なのかも分からないのだ。
星や月も何処にも見えない。
風の音も、木々の揺れる音も何も聞こえない。
ただ、ここにあるのはどこまでも広がる――――――――――闇
ただ…それだけ―。
最初のコメントを投稿しよう!