トレードディング法

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「被告人エイド」 「殺人傷害、強盗の罪でトレードの刑に処す」 「この街で君は人を殺した。その罪を君は自分の生命(いのち)で償ってもらいます」 「これにて今回の裁判は全て終了となります」 この街では罪人に死刑や無期懲役などの刑罰は存在しない。何か重大な罪を犯した場合は被告の生命器官を病人に提供してこの世から存在を抹殺する方法が取られていた。 良く言えば臓器提供である。しかし、被告側からすれば死刑と同等の刑罰であり、それすなわち死を意味していた。 今日、この時間に新たなトレード者が現れたがそれほど珍しい事でもなかった。 ノイズタウンでは表向きは賑やかな栄えた街だが、裏では貧困の差にあえいで苦しい生活を送る者達も少なくはなかった。
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