一章

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「・・・んっ・・・」 人の話し声に誘われるように目を開けた。 見慣れないところどころシミのある木目の天井。 ボーっとする頭でなぜここにいるのか考えていると誰かに声をかけられた。 「気がつきましたか?」 声に誘われるように視線を移してみる。 「愁・・・ちゃん?」 見知った顔が見えたことで少し安心しながら呟いた。 「やだなぁ、人違いじゃないですか? はじめまして。僕は、沖田総司といいます」 にっこり笑顔で問いかけるその人は、よく見ると愁ちゃんではなかった。 (笑顔も声も愁ちゃんそっくりなんだけど、、、ちょっと大人っぽくした感じかなぁ? 着物着てるし・・・ て、着物ーーーーー!?) 驚きのあまり飛び起きると、眩暈に襲われ頭がクラクラした。
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