一 指名

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 最悪だ。何故、あの時、断らなかったのだろうかと、思った。罪悪感が、こみあげて気持ちが、妙に高ぶった。リストラ候補者に選ばれた方が、どんなにましだったか。気が知れなかった。総務課から受けた。人事のリストアップは、履歴書に乗っている顔写真から、睨まれているかんがした。取りあえずは、10%の削減、その後更に10%の削減をお願いすると言う最後通告が、最高閣議で、執行部会議で決定した。最終的には、20%の人員削減となる。 だが、それが、そもそも、の嘘だった。此は、後20%の削減で、揚げ句の果ては、10%を新入社員を入れて、活性化を計ると言う代物だった。だが、僕は、その事を聞いた途端、此の会社の先行きを確信した。 要は、忠言は功をナスと有る様に、その人達を切り捨て甘言の多い人達と、若い新人で守って行こうと言う目論みを立てていた。
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