キャバクラ

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「で、いつ引っ越すの?」 夕食の支度をしていた母が心配そうに尋ねてきた。 蘭の家に行ってからは毎晩の様に続けていた飲み歩きは止め、夕飯は実家で食べる毎日だった。 「すぐ入居出来るみたいだから、多分年内には」 無表情で答えた私に、母はため息をついた。 「りあ、笑わなくなっちゃったから心配だよ。新宿で一人暮らし大丈夫?」 ここに居るよりも いくらかマシ。 実家が嫌いな訳じゃない。ただ私が弱いだけ。 元彼の名前もだしてほしくない。 「大丈夫だよ」 私は呟くようにそう言った。
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