羽妬理の詩置小屋

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―――――――――『花粉』 冷たかった風 暖かい陽気に 代わり始め 君達は猛威を振るう 子孫を残すべく たが人間には 冷たい風当たり 鼻がやられ 目や喉、頭さえも 君達にその気は無くても 相容れられない 悲しい定め ―――――――――『庭の小人』 君がいる こんな所にも 沢山の光を浴びて 小さいながらに 元気に伸びている 地にしっかりと根を伸ばして 多くの友達と一緒に頑張っている 君は独りじゃない 例え踏まれても 摘まれても また来年がある 諦めない君がいる 強いね 君を見ていると 負けていられない 力を分けて貰える 勇気が湧いてくる 小さい君が 大きな僕を支えるんだ _________『傷』 痛いよね ごめんね 私が下手だから いつも君は傷だらけ お金かけて 直して貰っても すぐに傷だらけ 気を付けて 頑張って それでも駄目なの 私のせいね 君を傷つける私を 許してね ――――――――― 『いつかまた…いつか』 花が散ってしまった 私も現状を維持できなくなった 花と一緒に散り去って行った 来年にまた咲く様に 私も回復できるだろうか 休息の日々と思って良いのか 一刻も早く浮上したいものだ 先生方よ 私に力をお貸し下さい ――――――――― 『花と嫁』 まだ微かに冷たい風の中 花を咲かせて 舞い踊る 白いドレスを身にまとい 清らかさが滲み出る 一生で一番華やかな時 僕は柵の外から眺めてる 此処からじゃ 触れる事はかなわない 風と手を取り 僕の視界から 飛んで消えて行く ああ… 心に穴が開く ――――――――― 『雨だれ』 世界中で… そして今は 私の目の前で 造り出される ひとつとして 同じ物は無いから 天の恵み・贈り物 波紋が広がる 一瞬で消えてしまうけれど 新たに次が生まれる 次々に作られる円模様 脳裏に響く動画 ―――――――――『傘』 頭上で弾ける 音の数々 時には大きく 時には優しく 幼き顔に笑顔が宿る 軽やかに踊る 小さき脚がとてつもなく か・わ・い・い 雨を楽しむ心 忘れていたね あ・り・が・と・う 我が子へ… ―――――――――
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