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"ぼく、おっきくなったらひなたとけっこんする!"
幼い頃から慣れ親しんできた、この丘。
あんな馬鹿げた約束、平気で口にしていた時代。
「……」
あたしはひとり、その丘から花畑を見つめていた。
黄色い太陽の花は風に揺れ、花弁を散らして散っていく。
もうすぐ、夏が終わってしまう。
真っ青な空。そこに映える、黄色い花弁。
あの日と同じような天候だった。
幼なじみのくせに、仲が悪くてお互い大嫌いだった。
だけど、どうしてだろう。いつしかあたしは、大嫌いなあいつに徐々に惹かれていった。
ねえ……今なら伝わるのかな。
あたしのこの気持ちが……
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