~プロローグ~

2/2
前へ
/6ページ
次へ
"ぼく、おっきくなったらひなたとけっこんする!" 幼い頃から慣れ親しんできた、この丘。 あんな馬鹿げた約束、平気で口にしていた時代。 「……」 あたしはひとり、その丘から花畑を見つめていた。 黄色い太陽の花は風に揺れ、花弁を散らして散っていく。 もうすぐ、夏が終わってしまう。 真っ青な空。そこに映える、黄色い花弁。 あの日と同じような天候だった。 幼なじみのくせに、仲が悪くてお互い大嫌いだった。 だけど、どうしてだろう。いつしかあたしは、大嫌いなあいつに徐々に惹かれていった。 ねえ……今なら伝わるのかな。 あたしのこの気持ちが……
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加