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「マスターが地球へ二度目に帰った時、最初のことはなにも知らないんですよね」
「そうだっけ?」
「はい。桃夏さんからざっくりとは聞きましたが、あまり詳しくは」
「ああなるほど。桃姉って実は俺が通ってた道場の娘なんだ」
「道場と言いますと、剣道の?」
「そう。そこの師範を俺は師匠って呼んでたけど、このひとがまた激強でさ、上には上がいるって言うけど俺はこのひとが地上で最強だって思ってたんだ」
「マスターがそこまで言うとはよほどの方だったのですね。桃夏さんの強さもまた遺伝でしたか」
「親子揃って化け物クラスの素質を持ってて化け物クラスの努力を積んできたからな。そりゃ強くもなるって」
「ちなみにいまのマスターとお師匠が戦えば……」
「もちろん俺が勝つ。身体強化せずとも勝てる」
「やっぱり……」
「でも生身の人間が五十五だぞ?」
「……マスターの育った環境の異常性が窺い知れます」
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