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舞台は中世のイタリア、花の都ヴェローナ。
宿敵同士のモンタギュー家とキャピュレット家。
この名家に生まれた若者、ロミオとジュリエット。
宿敵同士に生まれながらも、出会い、恋し合い、結ばれた。
しかしながら、その数日後、不運な星の元に生まれた2人の前には無惨な破滅の道が横たわり、残酷な死が待ち受ける。
愛し合った2人の真実を知り、両家はその血なまぐさい争いを終わりとし、両家は和解する。
愛を持って運命に抗議した若者の物語。
これが“ロミオとジュリエット”だ。
「なんか・・・すごいですね」
物語が始まって少したった頃、ディックが小さく口を開いた。
物語に気をとられていたシンディは慌てて返事をした。
「本当ですね」
「恋愛に命を賭けられるなんて・・・僕にはとても・・・」
「出来ませんか?」
「・・・」
無粋な質問をしてしまったと、シンディは後から後悔した。
「・・・」
「・・・」
互いに再び黙り込んでしまった。舞台に目を戻す。
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