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日差しが微かなカーテンの間からシンディの頬を突き刺した。
「・・・」
朝だとは分かっているものの枕から顔を上げないシンディ。
心地良い布団の中から顔を上げたくないと思う彼女の願いは刹那に終わりを告げた。
「シンディ!起きてますの!?」
と、マリアの声が扉越しに聞こえてきたからである。
「・・・」
返事を返す気にもなれず「う・・・」などと小さく唸った。
その声が聞こえたのかマリアは勢いよく扉を開いた。
そしてベットに近づいてくると、夢半ばのシンディの体を揺すった。
「シンディッ!!起きるのですわ!早く!!」
「なっ・・・何?分かった!分かったって!!」
無理矢理起こされたシンディ。
昨夜はそのまま眠ったらしく着替えていなかった。
その格好に気がついたマリアは若干発狂した。
「シンディ!?何をしておりますの!?」
「え?」
「お召し物も変えないで!!わたくし知っておりますわ!」
「・・・なにを?」
「シンディ!貴女そのお洋服で出かけられたのでしょう!」
いつもの通りの可愛らしいドレスに身を包み、人差し指をシンディの前に突き立てて少しばかり顔を強ばらせて言った。
「なんで知ってんの・・・」
マリアの説教を覚悟したシンディ。
しかし
「それは・・・」
急にマリアが赤面した。
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