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「・・・申し訳ありませんわ、シンディ!」
「へ?」
まったく予想していなかったマリアの台詞にシンディは戸惑う。
ってきり服装など身だしなみについてしつこく説教されるものだと思っていた。
「わたくし、昨日・・・どうしてもシンディが気になってお2人の後をつけていってしまったのですわ・・・あぁ、わたくしってばなんてはしたない・・・」
責めてもいないのにもかかわらずマリアは瞳を潤わせて、謝ってくる。
「ま、マリア?別にいいよ?気にしないし・・・」
未だに戸惑いながらシンディが慰める。
「本当?シンディ・・・でも・・・わたくし・・・」
今にも泣き出しそうなマリア。いったい何がどうなっているのやら見当もつかないシンディ。
おそらく、マリアの状況は自分のはしたなさに落ち込んでいると言ったところだろう。
シンディもため息をつくしか他無い。
少し時間が経過し、マリアも大分落ち着いた様だった。
「・・・ところで、シンディ。リチャード様とはどうでしたの?」
「特に無いけど?実を言うと、最後の方はよく覚えてないし・・・」
「覚えてない?どういうことですの?」
「それも・・・」
「覚えていらっしゃらない・・・」
不満そうなマリア。
「なんか・・・モヤモヤするんだよね」
「なにか、不満があるのでは?」
親友の様態となればマリアも態度が急変する。
先ほどまで恋愛事情に不満の表情を浮かべていたが、今やシンディの顔を心配そうに眺めている。
「・・・」
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