湖畔にて

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森中唯一の十字路にさしかかっり、いきなり目の前に人影が現れた。 「危ないッ!!」 声を荒げて叫ぶと、人影も慌てて横へ避けた。 シンディも馬足を止め、慌てて人影の方へと振り返る。 「~ッ・・・」 避けた勢いで転んだらしく男性が腰をさすっている。 「ごめんなさい!」 その様子を見て慌ててレオンから飛び降りた。 「すみません。大丈夫ですか!?」 「大丈夫です・・・この間と言い、ずいぶんお転婆な方ですね」 シンディが声をかけると痛みの表情と混ざった苦笑いを浮かべて男性が顔を上げた。 見覚えのある黒髪と耳に残った声。 「あ・・・」 舞踏会の日に階段で助けられた青年だった。 「この間の!!?」 「お久しぶりです」 今度は曇り無い笑顔を向ける青年。 「今日は乗馬ですか」 腰を上げながらレオンに目を向ける。 「はいッ」 「・・・乗馬服ですか」 「え?」 「あ、いえ。そのような服は男性だけが着る物なんだと思っていたものですから」 「・・・多分男性だけだと思います。女で着ているのは・・・私ぐらいかと・・・」 目線をそらし気味にシンディが答える。 「そうでしたか」 「変でしょうか?」 「いえ・・・ただ、・・・」 青年も口元を押さえて目線をそらす。 「・・・」 きょとんとした顔のままシンディは青年の言葉を待つ。
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