湖畔にて

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「ただ、・・・この間のドレスのような可愛らしい服の方が・・・お似合いかと・・・」 「!?」 今までに言われたことのない言葉にシンディも驚いた。 驚き、顔が急に熱くなった。 青年は言い終えて、目線を少し戻した。 「あぁ、すみません。俺なんかがこんな事言って・・・」 「いえ、ありがとうございます」 「・・・」 「・・・」 向かい合う2人の間に小さな沈黙が生まれた。 「おい、アレン!何してる!」 沈黙を破り、1人の男性が2人の方へ歩み寄ってきた。 青年に負けない顔の整った男性だった。 「悪い、すぐ行くから・・・すみません、では」 「あの!」 背中を向けようとする青年に慌てて声をかけた。 「すみません。あの、お名前をお伺いしてよろしいですか?この間のお礼と今日のお詫びをしたいので・・・」 「アレン・ジョンストンです。貴女は?」 「シンディです。シンディ・クオリア」 「シンディさん・・・では、また」 「はい・・・」 2人は手を振ってその場を別れた。   がの姿が見えなくなってレオンに頭を預けた。 「・・・どうしよ」 徐々に体温が上がっていくのを感じて、首をぶんぶんと振った。 「・・・また、胸が苦しい・・・」 シンディの呟きにレオンが小さく鼻を鳴らす。 「・・・」 気遣いを感じでシンディもレオンを撫でた。 そしてすぐに、鐙に足をかけた。
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